ただし、法定相続人となる養子の数には制限があります。
一方、デメリットもあるため実行するには注意も必要です。
①について、特に実子が2人以上いる場合、すなわち本来の法定相続人が多ければ多いほど遺産分割協議でトラブルとなりがちです。仮に相続税の申告期限内に遺産分割が整わなければ、小規模宅地等の特例などが適用できなくなる可能性が出てきます。したがって、実際に養子縁組する前に、他の親族(相続人)の了解を経ておくことが肝要です。
また、孫を養子とした場合には「相続税の2割加算制度」の対象となり税額が増加します。この制度は、配偶者と一親等の血族以外の人が財産を相続した場合に、税額が20%増加する制度です。養子縁組により法定相続人が1人増えたことによる税負担軽減効果と、20%加算後の税額を比較し、どちらか有利な方を選択する必要があります。
死亡退職金には相続税がかからない「非課税枠」があるため、現金の相続と比べて非常に有利です。
会社を経営している人は以下の生命保険の契約をしますと死亡保険金の非課税枠を有効に活用できます。契約者:法人 被保険者:役員 死亡受取人:法人
建物の価格は、年月が経過するにつれて確実に低下していきます。そのため、常に価値が一定である現預金として相続するよりも、建物の建替えやリフォームにお金を使うことにより、将来の相続財産となる現金を減らすことができます。子どもに大きな相続税を支払わせるくらいならば、経年劣化による壁や屋根、畳などの張り替え、台所や風呂場の水回りの修繕など徹底して行い自宅をピカピカに生まれ変わらせ、今後の生活を有意義に暮らすのはどうでしょうか。このほか、住宅に備え付けてある家具などを新調することで現預金を減らすことも有効です。子や孫は、新しい家具や家電のある快適な住まいで生活できるのですから、とても喜ばれます。また、先述した小規模宅地特例のメリットを大きくするため、より1㎡単価の高い住宅に買い替えることも検討してみてはいかがでしょうか。